肉じゃが。日本人として誇りを持って言える日本の代表料理。醤油と砂糖とみりんを混ぜたあの独特な味は、まさしく日本の「おふくろの味」。一口でまるで故郷に瞬間移動した気分にさせてくれるこの味は、私にとってはかけがえのない料理です。
海外ではよく、日本人はいつも寿司を食べているのかと聞かれます。日本人だというと寿司の話しかしない外国人もいます。「日本人=寿司」はどこへ行っても話題にされる定番の方程式。見て見ぬ振りが出来ない私は、いつも拳付きで日本の食文化について熱弁します。物静かな日本人は、こだわりぬいた伝統があります。ここで負けてはいけません。
そこで例えに出すのが肉じゃがです。「ニクジャガ」ってなぜか彼らには言いにくい単語なので、私はまず発音から教えます。で、次に醤油と砂糖とみりんのあの絶妙な味付けの説明。「ミリン?」と必ずくるのでみりんの説明、そしてこのお料理が故郷を思い出させてくれる真の日本のソウルフードだということを私は力説します。
ところで、「今日は肉じゃが作った」と言うたびにいつも言われるのが、コレ。
「ベジタリアンなんだから、『肉じゃが』じゃないじゃん。ただの『じゃが』じゃん。」
私が肉じゃがと言う事自体矛盾している、とあざ笑うその友人を横目で見ながら、否定できない自分にもどかしさを感じていました。
そんな過去を背負いながら作ったのが今日のレシピ。ヴィーガン用になにかいいネーミングできないかしら、ということで、忍者と肉じゃがを文字ってみることにしました。
さて、これが肉じゃがの典型的な姿:神々しい!でも肉が入ってるんです。ヴィーガンバージョンは肉なし。でもそのかわりに忍者のジャガイモを入れてみました。略して、ニンジャガ!!
実は先日、行きつけの国会図書館に行きました。そこでいつも通りに歴史と侍の本を読んでいたのですが、この一説が私の目に飛び込んできました:
“忍者は敵に気がつかれないように、体臭になる肉は食べず、食事はほぼ菜食でした。”
忍者ってベジタリアンだったんですね…。ご先祖様と私に共通点が1つあるっていうことにものすごく感激した歴女の私。今日のこのレシピを思いついた原点は、ここにあります。日本人はもともと菜食の人が多かったと聞きました。このレシピで、日本の原点を頭に浮かべてもらえたら、ウレシイナ。
忍者のレシピ。こんなに胸がわくわくしたことは、久しぶりです。歴女パワーをフルに発揮して、出張先のスウェーデンのこのキッチンでこんな物作っちゃいました。
忍者とじゃがいもでニンジャガ。肉じゃがじゃなくてニンジャガです。
私、毎日の様に不思議なグーグル検索するんですけど、この日の検索は「ジャガイモで忍者を作る」でした。
不思議な検索を決して裏切らないのがグーグルです。出てきた画像に目をキラキラさせながら、それを参考にして今回のこのニンジャガ忍者をデザインしてみました。
丸ごと茹でた忍者に、海苔をグルグル巻いただけです。結構かわいくて、自分では超気に入ってます。
撮影で使ったグッツは、私の歴女グッツの中から選んできました。剣ペンは小田原城のお土産コーナーで買った「豊臣秀吉ペン」、ノートは奈良公園近くの古本屋さんで一冊100円で購入しました。読むつもりで買ったんですけど、古風な感じが撮影にピッタリですよね。
- ジャガイモ 3個
- タマネギ 1個
- ニンジン ½個
- 海苔 1〜2枚
- 味付け:
- みりん 大さじ4杯
- 醤油 大さじ3杯
- 料理酒 大さじ3杯
- 塩 小さじ1杯
- 黒砂糖 大さじ1杯
ニンジャガ忍者の作りかた:
- ジャガイモを丸ごと茹でる。15分くらい。
- 海苔を細く切る。
- 細く切った海苔を濡らす。
- 濡れた海苔を茹でたジャガイモに巻き付けてく。
- お箸で目の部分に穴を二つあける。
- 茹でたイモの中身をチョイチョイと入れる。
- 海苔を小さ〜くカットして、目玉にする。
- 目のイモを埋め込んだ部分に、海苔をのっける。
- できた。
こんなもんかな?と試行錯誤しながらグルグル巻いてました。ちなみにPodcastで日本の歴史を視聴中でした。
さて、肉じゃが作り。
これは皆さんのお好みにお任せします。結局、料理は自己満足です。私は大抵、タマネギから炒めて、アメ色になったら他の具材いれて、水も入れて、調味料入れて、30分くらい中火でグツグツしてきたら肉じゃがになってます。そんなもんです。
お料理は自己満足。添加物を使わず、外食やコンビニ弁当に頼らず、自分で作ればいいんです。健康への第一歩は、資本主義に負けず、自分でなんとかしてみようという心構え。ユキッチンのこだわりは、実はここです。
ニンジャガ(ヴィーガン肉じゃが)のつくりかた:
- 野菜切る。
- タマネギをアメ色になるまで 炒める。(油のかわりに水を半カップ入れる)
- 残りの野菜を入れる。
- 野菜がお風呂に入っている様な状態になるくらいまで水を入れる。 (母にこう教わりました。お風呂に入ってるように、って事は、頭は出てるってことです。)
- 調味料を加える。
- フタして、20~30分くらいグツグツ。
- 焦げない様に、たまに混ぜましょう。
- できた。
先ほど作ったジャガイモ忍者を好きな位置に乗せてみましょう。
肉なし。ダシなし。油なし。それでもとっても美味しい肉じゃが、ニンジャガが出来上がりました。
半死にの忍者にそれを陰から見つめる弟子忍者…。思い出します、黒沢フィルム。今まで見た映画トップ10に入るのはやはり「七人の侍」。素晴らしい映画です。
この食べられて死にそうなニンジャガ写真は、久蔵(きゅうぞう)さんのあの名シーンを思い出してしまいます。善のために命を捨てた、侍魂。黒沢映画は私のロマンを揺り動かしました。ニンジャガレシピもあなたのロマンを揺り動かせてくれる事を、心より願っております。
Good luck in the kitchen, guys!
xoxo
-Yuki
未末 says
OMG!I really like this!!☺︎!It’s funny and awesome!💜!I love potato!!!✓
Yuki says
Thank you! xx
Andy says
Love the story and context around this recipee. I will enjoy the food more because of it. Can’t wait try it!
Yuki says
Hi, Andy! Thank you so much <3